『群論への第一歩』「第6章 対称群」ノート
対称群について学ぶ
置換の定義
nを生の整数とします。X_n = { 1, 2, 3, ……, n } としたとき、X_nからX_nへの全単射をn次置換、あるいはX_nの置換といいます。
n次置換全体の集合を$ S_n とし、写像の合成を○とすると、$ (S_n,○) は群となります。この群をn次対称群といいます。
n次対称群の部分群をn次置換群といいます。
ここから定義の確認ではなく、解析が進められていく
4次対称群S_4の解析
$ X_4 = \{1,2,3,4\}とする。X_4からX_4への全単射全体の集合(4次置換全体)を台集合とし、
$ 写像の合成○を群演算とする群(S_4,○)を四次対称群という。このS_4について調べていく
S_4の位数は24個
それぞれの素性を調べていく
単位元→そのまま
互換(2次巡回置換)
二つを順繰りに
3次巡回置換
三つを順繰りに
4次巡回置換
四つを順繰りに
巡回置換の積
二つの順繰りの積
任意の4次置換は、互いに素な巡回置換の積で表せる
→一般に、任意のn次置換は、互いに素な巡回置換の積で表せる
rashita.iconここまでは理解できた(と思う)
正6面体群P_6の解析
正6面体→立方体のこと
正6面体群とは、正6面体の回転対称性を表している群
正6面体は、さまざまな対称性を持つが、その中の回転対称性について考える
正6面体群の台集合→正6面体を自分自身にぴったりと重ねる回転操作全体の集合
たとえば、何も印字されていないサイコロを置き、3Dのレーザー光線でその輪郭線を描いたとする
そのまま90度サイコロを横に回せば、レーザー光線の輪郭線とぴたり重なる。
そういう操作の全体が台集合、ということ
正6面体群の群演算→そうした回転操作を二回続けて行うこと
回して→回す
その台集合と群演算で構成される群P_6を調べていく
rashita.iconおそらく手続きは「4次対称群S_4の解析」と似たものになるのだろう。
台集合の元の素性を調べていく
回転軸で分ける
向かい合う面の中心を通る回転軸
机の上に置いたサイコロを回すイメージ
深く考えなくても、4つあることがわかる(0度、90度、180度、270度)
ここで対角線に注目する(ほうrashita.icon)
対角線がある4つの位置に1,2,3,4と名前を付け、回転操作で1,2,3,4の各位置にある対角線がどの位置に移るかを考えます。そうすると、正6明太の回転操作は、1,2,3,4の置換として表すことができそうです。
rashita.icon面や点ではなく、対角線に注目する
少なくともそうすれば、4つの要素になる
8つ頂点があるから、引ける対角線は4つ
0度の操作は、対角線は動かない(単位元 e)
90度の操作は、もともと1にあったものが2に、2にあったものが3に、3にあったものが4に、4にあったものが1に動く
1234
2341
=(1234)
180度、270度でも同様に考えられる。
180度は(13)○(24)
1を3にし、3を1にし、2を4にし、4を2にする
互いに素
対角線の交換的なイメージ
270度は(1432)
90度の逆のイメージ
rashita.iconここまではOK
向かい合う面は他にも2つあり(合計3個)、それぞれに回転軸が考えられる
それぞれの軸で4つの回転操作が考えられる
単位元の重複があるので、3×4とはならない
1+ 3×3 個
向かい合う辺の中点を通る回転軸
rashita.icon若干イメージしにくい
先に置換の中身を見ておく
M_1 = (12)
3と4が保持されたまま、1と2だけが入れ替わるような回転
3と4はそれぞれ頂点が逆になっているが対角線としては同じとある
イメージするこっち側の手間にある頂点が、向こう側の奥にある頂点に移動するイメージ。同時に向こう側の奥にある頂点が、こっち側にやってくるイメージ。
ぎゅるんっと回る感じだ。
たしかにそのとき、4も頂点が逆になって同じ位置にある
これは0度と180度の操作がある
向かい合う頂点を通る回転軸
これはようするに斜めに回すわけだ。
0度、120度、240度の操作がある
これで全部列挙できたことになる
個数は24個
それぞれS_4の元を一対一で対応づけられる
P_6からS_4の全単射が準同型で、全単斜は準同型は同型写像だから
$ P_6 \cong S_4
が言える。
問題6-1
1からはじめて一周回る組を探す
残った数字でも同じことをする
問題6-2
任意の巡回置換は、左端が等しい互換の積で表せる、らしい
問題を考える
(2687)
2,6,8,7をそれぞれ、6,8,7,2に移す
2を6に、6を8に、8を7に、7を2に移す
(27)(28)(26)も同じことになる
右側から処理していくことになる
2と6を置き換え、2と8を置き換え、2を7に置き換える
最初の2は、「2と6」の部分で6になり、以降は「6」に関する操作が出てこないのでそのまま
次の6は、「2と6」の部分で2になり、「2と8」の部分で8になり、あとはそのまま
8は二つ目で2になり、三つ目で7になる
7は、最後で2になる
たしかに、6,8,7,2になっている
こうして処理するとわかるが、イメージが湧きにくい
rashita.iconマジックのイメージはどうか
ひっくり返されたコップが4つ(a,b,c,d)が並んでいる
マジシャンは、aとbの位置を入れ替え、aとc(今は隣り合っている)の位置を入れ替え、aとd(今は隣り合っている)の位置を入れ替える。
どうなるか
b,c,d,aの順番になる
それぞれの操作は、aと他もう一つの要素への操作(互換)と見なせる?
問題6-3
1との互換への分解
(27)を1との互換(12)(17)の積で表現する
もともとの互換には1が含まれていない
(27)は、2を7に、7を2に
互換(12)は1を2に、2を1に、互換(17)は、1を7に、7を1に
もともとには1が含まれていないのだから、操作(12)は2を1にする(2がどこかにいく)
(17)は、その1を7にする(もともと2であったものが1への置き換えを経由して7になった)。そしてもともとの7を1にする
その1を2にすればいい→(12)
実行の手順(12)(17)(12)
実際はこれをひっくり返して書くが、見た目は変わらない
問題6-4
解説を読んで理解
6-3のちょっと複雑になったバージョンと理解
1との互換は、隣接する互換の積で表せる、とのこと。
(15)を考える
1を5に、5を1にしたい
(45)→(34)→(23)
5を(これを1に変えたいという狙いがある)4に、4を3に、3を2にする
(12)
2を1にする(これで5が1になった)
1を2にする(これを5にしたい)
(23)→(34)→(45)
2を3に、3を4に、4を5にする(来た道を引き返す)
5になったのは(12)で受け取った1
(15)が達成された
問題6-5
難しす
とりあえず、問題6シリーズを逆に辿ることで任意の4次置換が作れる、という構図だけは理解した
40分くらいかかって、ようやく理解。
といっても何が示されているのか腑に落ちた、くらい。
問題6-4の「1との互換は、隣接する互換の積で表せる」を逆に言えば、必要な隣接する互換を作れたら、1との互換が作れる
問題6-3の「1との互換への分解」を逆に言えば、(1,n)(1,m)さえあれば、(n,m)が作れる
「1との互換セット」がすべて揃っていれば、任意の(n,m)が作れる
問題6-2の「任意の巡回置換は、左端が等しい互換の積で表せる」を逆に言えば、左端が等しい互換を構成できれば、任意の巡回置換が作れる
問題6-1の「任意の置換は互いに素な巡回置換の積で表せる」は逆に言えば、任意の巡回置換が作れるなら、任意の置換が作れる
よって問題6-5では、必要な隣接する互換を(12)と(1234)の積で作ることを目指す
(12)は、(12)○eでできそう e = r○r_-1
(23)は、2を3にして、3を2にするだけの処理 1,4は動かさない
r(12)r^-1
(1234)(12)(4123)
1234→4123→4213→1324
たしかに(23)になっている
この処理は、問題6-4で見かけたのと同じ
ちょっとルービックキューブっぽいrashita.icon
(34)は、3を4にして、4を3にするだけの処理 1,2は動かさない
上と同じように確認できる